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アウトレットは本当にお得なのか 6


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 part 006

   アウトレットは本当にお得なのか 

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 アメリカでの「架空価格」集団訴訟問題におけるアウトレット専用商品について

今回は、アウトレットに関して興味深い記事があったのでご紹介していきます。内容としては「アメリカで大手チェーンストアによる虚偽の価格をめぐる集団訴訟が急増している」という次の記事。

アメリカ小売業界に広がる「架空価格」集団訴訟とオムニチャネル戦略

一部記事を引用させて頂くと、

問題とされるのは、例えば40%オフという販促時の値札に「オリジナル100ドル(もしくはcompare at=比較価格)、現在60ドル(多くの場合40%オフも連記)」という表示があるのに、その商品は実際には一度も100ドルで販売されたことはなかった、という状況だ。英語ではfalse pricing, imaginary pricing(架空価格)と呼ばれる。当該商品がその価格で売られたことがないのであれば、40%オフには根拠がなく、消費者を惑わし、実際の価値とは異なった商品を販売している点が問題だ。
マイケル・コースの場合は、アウトレットで販売している商品の一部が、実はアウトレット店専用に製造された商品であり、一度もマイケル・コースの定価店舗で販売されていないのに「オリジナル価格」を謳った点が争点となった。

当ブログでも度々登場しているアウトレット専用商品についてですが(詳しくはこちら→アウトレットは本当にお得なのか)、マイケル・コースは結果的に総額487.5万ドルで和解したとのこと。


アウトレット専用商品の適正価格

アウトレット専用商品は記事の通り根拠のない割引率で実際の価値とは相違する価格での販売が問題になっているわけですが、これまで当ブログでも指摘してきた通りアウトレット専用商品は、定価ではなく「割引された価格」がブランド側が利益を確実に取った上での適正価格ということになります。


アウトレット専用商品におけるトリック

私の知る限りの例としては、このような問題が発生することを念頭に置き、某ブランドのジャパン社がアウトレット専用商品をアウトレット店で販売する際に関して一種のトリックがあります。

アウトレット専用商品に関しては販売開始日のスケジュールがあり、販売開始日から逆算して2〜3週間程度前にアウトレット店舗に商品を入荷させ、販売開始日まで商品を寝かせておき、定価で販売していたという伝票上での実績を作ります。

当然それらのアウトレット専用商品が店頭に並ぶことはないですし、定価で販売された実績もありません。このようなことが日本国内において合法か違法かはさておき、消費者を裏切っていることには変わりません。残念なことですが実際には多くの方がこの事実を知らずにアウトレット専用商品を買っているのです。

見方によってはアウトレット専用商品であっても、その商品そのものに対して消費者が満足しているのであれば問題がないようにも思いますが、アウトレットでお得だから・普通に買うより安いから買うという方にとっては大問題です。アウトレット専用商品はブランドネームだけの全くお得でも安くもない商品だからです。

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