服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法 9「お客様と一緒に悩む接客はやめよう」|Sales Method 009


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服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法

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服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法 9「お客様と一緒に悩む接客はやめよう」

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お客様と一緒に悩む接客はやめよう

お客様と一緒に悩んでしまってグダグダな接客となり「ちょっと考えます。」とお客様に帰られてしまった経験はありませんか。限られた時間で売上を作るためには、まして売上トップになるためにはグダグダな接客をしていてはいけません。

今回のテーマは「お客様と一緒に悩む接客はやめよう」です。

お客様と一緒に悩む接客を避けるためにはどうしたらいいのかを考えていきたいと思います。
まず、はじめに悩むお客様というのは大きく次の2種類のタイプに分けられます。

1 商品自体を選ぶことについて悩むタイプ
2 商品自体を選ぶことについてはそれほど悩まないが金額面で悩むタイプ

今回は「1 商品自体を選ぶことについて悩むタイプ」について解説していきます。


一緒に悩むだけではお客様も販売員も得することは何一つない

せっかく買い物に来たお客様は欲しい物が買えず(見つけられず)、販売員は売上が上がらずただ時間を消費しただけ。本当に考えて戻ってきて頂ければ良いですが、グダグダな接客になってしまったケースで「ちょっと考えます。」は断り文句でありリターンはほぼ皆無でしょう。

価格帯にもよりますが、客数の多い店・単価の低い店ほどこれは致命的です。グダグダな接客に時間を使っている間に他の販売員との売上の差が大きく開くからです。


グダグダな接客になる原因

お客様が黒が良いと言ったら黒が良いですね、白が良いと言ったら白が良いですねと言うがままに聞いていたらいつまでも決まりません。

迷うお客様というのは、悩めば悩むほど自分で買いたいものがわからなくなってしまいます。自分で買いたいもの・欲しい物がわからなくなるため、余計に「あれ出して、これ出して」と手当たり次第になってきます。

このような「お客様に振り回される接客は絶対にダメ」です。

何も考えずに見たいものを見せてばかりいても、余計に何が欲しいのかわからなくなってしまうからです。

なぜ、そのように振り回されるかというと、あれこれ商品を見せる前に、特に最初の1点目や2点目の商品を見せた時点で以下のようなお客様へのヒアリングがしっかりできていないからです。

どういったものが欲しいのか?
形は?
色は?
使う目的は?
シチュエーションは?
そもそもなぜ新しいものを買おうと思ったのか?
これまでと同じがいいのか?(デザイン的または機能的に)
全く違うものがいいのか?(デザイン的または機能的に)

商品自体をお勧めする前にお客様に聞くべきことはいくらでもあります。

接客を苦手に感じてお客様としゃべることがないという方は、何か話をしないといけないことばかり気にしてしまい、肝心なお客様の話を聞きだすということを考えるようにしてください。

逆に接客が得意と思っていて喋りすぎる方は、自分の語りに集中するあまり独りよがりとなっていないか、お客様が求めている情報を伝えられているかを気をつけてください。

接客のほとんどは販売スタッフが話をすることがメインではありません。お客様の話・悩みを聞いて、最適な商品をご案内し悩みを解決することです。

すごい接客しているのに売れないという販売員の方は、全くお客様の話を聞いておらず、ただ自分の話したいことだけを喋っているだけということがほとんどです。これはただの自己満足でしかありませんし、お客様の求めていることを全く理解していません。


悩むお客様にとって最適な商品はどれかというのを考えよう

悩むお客様は非常に失敗を恐れるタイプの方です。自分で選んだ商品が後悔するような失敗を過度に心配されるので、それを解決するにはその不安感を取り除くしかありません。

商品を選ぶのに悩む時間がかかるお客様は、

自分が何が欲しいのか実はわからない
自分にその商品があっているかわからない
価格と商品が妥当かどうかわからない

上記が主な要因です。

自分で何が欲しいか実はわからないから、目に入ったものがとりあえず良く見える。しかし、いざ接客されてみるとその商品が自分にあっているのかわからず、さらに価格と商品が見合っているかもわからないため、次から次と色々な商品を見てさらにわからなくなってしまうのがこのタイプのお客様です。

それなのに販売員までがお客様のいうことを一つ一つ間に受けて接客していてはいつまでも決まりません。

この場合、販売員はお客様自身はわかっていないけど実は欲しいと思っている物を探り当てていかなければいけないのです。そのためには事前のしっかりとしたヒアリングを基に販売員が商品を取捨選択していくことで、お客様自身が思いついてはいないけど実は欲しいと思い描いていた商品に導いていくのです。


悩むお客様をお買い上げへと導いていく方法とは

財布を探しに来たお客様がいたとしてショップに財布3型(ラウンファスナー/長財布/二つ折り)、それぞれ3色展開(ブラック/ブラウン/レッド)でトータルで9種類あるとしましょう。

これを言われるがままに商品を何個もガラスケースの上に並べて見せてしまう販売員がいます。

「これもいい、あれもいい、こっちがいいかな、でもこっちがいいかも」など、お客様の言葉の一つ一つに「いいですね、いいですね」としか言えず、お客様の言葉に追従することしか言わない(言えない)ことで、結局お客様が悩みすぎて疲れてしまい何も買わず帰ってしまう・・・。

あれもこれも見たいというお客様の心理はわからなくはありませんが、その状態のお客様はお客様自身で欲しい物の判断や基準がない場合が多く決められないことが多いです。

もちろん、そのようなタイプのお客様が罪なのではありません。

罪なのは一緒になって悩んでしまう販売員」なのです。

悩みすぎてしまうお客様ほど色々と商品を見たがります。もちろん見ていただくことは自由ですが、多くの商品を見ることで結果的にお客様が不要な混乱をもたらすことは避けなければいけません。

色やデザイン・好みなどを一つ一つ問いただしていくことでお客様を導いていきますが、悩むお客様に対しては漠然と要望を聞いていてはダメです。

ブラックとブラウンはどちらが好みか?
長財布と二つ折り財布はどちらがいいか?
見た目と使いやすさではどちらを重視するか?

というようなはっきりと答えの返ってくる質問をすることです。

ここで好みの色は?など漠然とした質問(答えがいくつもあるような質問)してはいけません。ピンクやパープールなどショップにない色を言われたらそこでおしまいだからです。お客様に選択をさせていくことが重要なことであり、入店してきた時は買うかどうかもお客様は当然決まっていません。

買うか買わないかという選択からブラックとブラウンのどちらを買うか、長財布と二つ折り財布のどちらを買うかという選択にいかにすり替えていくかが売れる販売員と売れない販売員の差の一つとなります。


選択をすり替えていく方法とは

「買うか/買わないか」の選択を「コレを買うか/アレを買うか」の選択にすり替えていくために実践してほしいことを挙げます。

明確に答えられる質問(答えの選択支は2つにしてください。)をし、さらに質問を何度か重ねて下さい。もちろん、その間にお客様が疑問に感じたことについてはしっかりと客観的に説明をしてください。
(仮にここでお客様が納得できる回答ができなければグダグダな接客になってしまうので事前に商品知識は身につけましょう。逆にここで余計なことばかり喋ってしまうとうざがられますので注意してください。あくまで客観的に対応することです。)

質問を続けていくとどこかの時点で、悩むお客様は答えが出てこなくなる時がきます。そこで答えに詰まった質問の選択支に挙げた2点についてそれぞれの客観的な利点と欠点を説明しながら、利点と欠点についてそれぞれどれくらい同調しているかを図り、お客様が悩んでいるポイントを探ってください。

そこまでの状況であれば、お客様も自分が欲しいもの・必要なものがどれかわかりはじめてきているはずです。

ここではじめて販売員であるあなたの持論を述べましょう。ここまではある意味公平な立場でお客様に答えていましたが、ここからは自分の意見を取り混ぜていきます。

例えば「一般的にはこうですが私だったらこのように使います」とか「お客様の感じからするとこのように使うとこのような印象を与えるので良くない」とか、ここまでの質問での会話からお客様が悩んでいたことや感じたことをしっかりと自分の言葉でお客様に落とし込んでいき最後の選択を促します。

この状態まで来ていれば「買うか/買わないか」の選択ではなく「どちらを買うか」の選択になっているはずです。


服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法 9「お客様と一緒に悩む接客はやめよう」あとがき

接客は答えのない仕事ですので今回述べたことが100%成功するわけではありませし一例でしかありません。しかし、ちょっとのことを気をつけるだけで大きく変われるのも事実です。

接客販売は売れないよりは売れる方が楽しいことに違いないですし、悩むお客様は一度打ち解けると顧客になる傾向が強く、やり方によって大きな売上に繋がることが少なくないので面倒に思わずしっかりと取り組んでいく価値はあると思います。

次回は「お客様と一緒に悩む接客はやめよう」の続編として悩むお客様のパターン2である「商品自体を選ぶことについてはそれほど悩まないが金額面で悩むタイプ」を解説していきます。