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服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法 7

番外編 ディスプレイと接客の関係

服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法」のシリーズがしばらく記事を更新できておらず、前回の服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法の内容の続きもまだ書けてないのですが、今回はとりあえず番外編として「ディスプレイと接客の関係」を解説していきます。
この「ディスプレイと接客の関係」を書くきっかけとなったのは、こちらの記事→ブランドショップレポート 5 ブランドショップハピネス越谷店の中で述べたことが中心であり、「服好きの販売員が絶対売上トップになる接客方法」においても非常に関連性が高い内容となっているため、元記事の内容から抜粋しさらに加筆しました。

ブランドショップのあり方
ディスプレイと接客には密接な関係がある

ブランドショップハピネス越谷店を実際に訪れて感じたことを、個人的な見解としてブランドショップのあり方、今回は特にディスプレイと接客が非常に密接な関係であることを解説していきます。

ブランドショップのディスプレイ

ブランドショップハピネス越谷店は、ただブランド品を買うという観点からすると商品量も比較的豊富であり、あらかじめ欲しい商品が決まっている目的買いの場合は非常に良いショップであると言えるでしょう。
ただ、ファッション的な観点で何かを探す・買い物をするということから考えるとつまらなく感じるかもしれません。なぜなら店舗の内装・什器自体は悪くないと思いますが、ディスプレイ・陳列はあまり考えられているようには思えないからです。
なぜ、そう感じたのかを次項以降で述べていきます。

ディスプレイをする意味

時計のディスプレイ・陳列においては大抵の場合メーカーの専用什器(ブランド別にシーリングとベースがあります)がありますので、商品をただ並べただけだとしてもブランドそれぞれの世界観をそれなりに出せますが、バッグ・財布に関してはそのような什器は基本的にありません。
商品を何の脈絡もなくただ並べているだけでは、極端な話になるかもしれませんが、商品カタログと何も変わらないですし、だからと言ってポップをつければいいという話でもありません。
特に今回訪れたブランドショップハピネス越谷店でガラスケースに陳列されている財布は並べられているブランドの順番等に脈絡がなく、ブランドイメージや価格帯など全く考慮している風には感じられませんでした。高いも安いも関係なくブランドとブランドとの仕切られ方もバラバラに見えました。例えば完全なセレクトショップというスタンスでブランドをミックスし陳列しているわけでもなく、ただ物を並べているだけの状況でした。
ブランドの直営ブティックのようにしろとは全く思いませんが、直営ブティックでは商品をディスプレイする際、接客だけではなく視覚でも確実に訴えかけることができるように細かい仕掛けが考えられており、ここでは詳しく述べませんがディスプレイの基本は細かい組み合わせのルールをいくつ作れるかにかかっています。
綺麗ごとかもしれませんが、直営ブティックではただ「ブランド品という物」を売っているのではなく、コレクションテーマを通じてブランドの精神や美を伝えたいと考えています。

物としてだけで売るブランド品

ブランド品を「物としてだけで販売する」のであれば、カタログのように商品をただ並べて販売するのが正解と言えますし効率的だとも考えられます。しかし、ブランド品を「物としてだけで販売する」だけであると、買う方(お客様)も売る方(販売スタッフ)もなんかつまらないと感じるのではないでしょうか。
言い方をかえると、ブランド品を「物としてだけで販売する」場合は、これも極端かもしれませんが商品知識はゼロでいいわけです。なぜならブランドのことやその商品ができた背景は関係なく、ブランドのネームだけで売るわけですから。
そうなると通用するのはブランドネームだけで物を買いにきてくれたお客様だけになります。

ブランドショップの商品知識

接客の場面で販売員だけが自分の接客に酔って気持ちよくなるだけの商品知識を全て押し付けるような接客は全くダメですが、多少なりとは接客時において、例えば「実はこの××というブランドは実は△△で◯◯なんです。だからこの形はこうなってて使いやすいんですよ。」と、ちょっとしたブランドの情報と商品の情報を絡めて伝えることはお客様にとって非常に有益でしょう。
ブランドショップの利点として他のブランドの商品と直に見比べられるわけですから、お客様に対してよりブランドの特徴を伝えやすいわけでもあり、当然そのほうが接客もしやすいわけです。

ブランドネームだけでの接客

実際、販売するスタッフが商品知識がなくブランドネームだけで売るのは、実は接客が非常に大変になります。ブランドネームだけに依存しなければならず、場合によってはお客様が抱くそれぞれのブランドイメージを覆させなければなりません。さらに商品知識ゼロで販売するということは、そのスタッフの人間性のみで販売することになるからです。

ディスプレイも接客の一つ

飛躍的な考えになりますが、そもそも商品知識があれば多少なりとはディスプレイも考えるわけです。どうしてかというと、どういう商品か分かっていればどういう風にそのブランドの中で商品が関連しているかが理解できるから、又は理解しようとするからです。
ディスプレイは綺麗に見せることだけがディスプレイではありません。接客と同様に売るために行っている行為の一つです。ディスプレイだけである程度お客様に伝えることができればその後の接客も楽になるわけであり、実際に接客の場面に入ってからも物理的にも非常に楽です。関連した商品・ブランドを右往左往せずにお客様にご案内できるわけであり、比較対象の商品をお客様に無意識的に訴えかけることができるからです。
ディスプレイと接客は非常に密接な関係にあると言えます。

ブランドショップの強み

ブランドショップはあらゆるブランドを扱っているのが強みです。通常直営ブティックだと違うブランドの商品を直接見比べられないわけですから、それがただ並んでるいるだけではせっかくの強みも弱まってしまうと考えられます。

ブランドショップのあり方 まとめ

今回の「ブランドショップのあり方」はディスプレイと接客の関係についてでしたが、あくまで個人的な見解としてでありブランドショップハピネス越谷店だけに焦点を当てたわけではありません。それよりもブランドショップ全般に対してという意味合いで述べてみました。
当然、運営する会社及びショップそれぞれのやり方がありますので、決してそれを非難するものではありません。ただ私個人として、そして大きな意味でのブランドを愛する者としての見解と捉えていただきたいと思います。

また、ディスプレイの技術に関しても今後記事にしていきたいと考えています。